About展覧会について

服をつくるのも、ひとりの「私」。服を着るのも、ひとりの「私」。
「私」という意識が服をつくり、「私」という意識が服を着る。
ファッションはつきつめれば「私」だ。服というものと、人の気持ちが出会う場所。

『生きる はたらく つくる』 (皆川 明/つるとはな/2020年)

それぞれの人にとっての「特別な日常着」を30年間にわたって紡ぎだしてきたミナ ペルホネン。
皆川 明の「せめて100年つづくブランド」という想いには、一着の服をながく愛してほしいという願いがかさなりあいます。
ミナ ペルホネンの服は、たゆまぬ手のはたらきを源泉にし、経験の時を湛えた職人たちとの丹念な対話の深みからうまれます。
それはデザイン、素材、染、織、刺繍、縫製、手ざわりが溶けあった姿です。
そして、私たちは言語を越えた共感をともないながら、そのゆたかさをふくんだミナ ペルホネンをまといます。
いま、私たちは暮らしのなかで、地球のことや平和のことに向きあいながら生きています。
こつこつと積みあげ、はぐくんできた暮らしをたいせつにしようとする意識は、「私」をたいせつにすることそのものです。
ミナ ペルホネンがひたむきに耕してきたものは、たいせつにつくり、たいせつにそだてるという、
人の知恵のひとつのありようを示し、それを体現する運動体のようにみえます。

「TSUGU」=つぐ。このみじかい言葉から、あなたは何を思われますか?
「私」という意識と、ミナ ペルホネンがつくりだす世界。たくさんの「TSUGU」をさがしてください。

1-4 上から時計回りに:“surplus” 2003-04a/w, “one day” 2018-19a/w, “pot-au-feu” 2015-16a/w, “tarte” 2007-08a/w, 5 “swing camellia” 2022-23a/w 原画, 6 “sea sky” 2025-26a/w, 7 “alive” 2011-12a/w 原画, 8 “swing camellia” 2022-23a/w, 9 “kivi” 2025-26a/w, 10 刺繍工場での補修作業 手元風景, 11 “forest parade” 2005s/s 原画と刺繍パーツ,
Photo: Keita Goto(W), Yayoi Arimoto, Hua Wang, Shinichi Yamasaki, sono (mame)


グラフィックデザイン:葛西薫+SunAd
会場構成:阿部真理子

TSUGU つぐ minä perhonen